ロングワープ(Wrong Warp)

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時オカのロングワープは、エリア移動時に通常の移動先とは異なるシーン(エリアのこと)に飛ぶことができるバグ技で、複雑な仕組みを持つ。

日本語解説

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ムービースキップとロングワープ

ロングワープはブルーワープの仕組みを利用して発動させる技である。デクの樹・ドドンゴの洞窟・ジャブジャブ・炎の神殿、これらのダンジョンでは、各ダンジョンに対応する精霊石またはメダルを持っていない状態でブルーワープに入ると、ロングワープのキーとなる数値が 2 箇所のアドレスにセットされる。

  • 1 つ目はワープ先エントランス設定用の「エントランスベース番号」で、この番号の設定はどのダンジョンのブルーワープを使う場合も必ず行われる。ワープ先の地点はこの番号で決まる。エントランスベース番号はゲーム内部で使用されている「エントランステーブル」という表データを検索するために使われるデータである。各ワープがワープ先として使用できるエントランスデータ群はエントランステーブル内のどこにあるのか、具体的にはそのデータ群の先頭位置を表しているものが「エントランスベース番号」である。
  • 上記のエントランスベース番号に加えてもう 1 つ、「待機ムービー番号」がセットされることがある。エリア移動時に発生するムービーの一部は、このムービー番号を使って再生される。またこのムービー番号は最終的に使用するエントランスデータの場所を計算する際にも使われており、エントランスベース番号とこのムービー番号を使って計算を行うことで、ワープ後実際に使用するエントランスデータの位置が割り出せる仕組みになっている。

ジャブジャブは唯一の例外だが、それ以外のすべてのブルーワープでは、ブルーワープが「エントランスベース番号」をセットした後にその「エントランスベース番号」を書き換えることが可能である。各ブルーワープに適した方法を使う必要があるが、成功すれば精霊石またはメダルのムービースキップとなる。ただし、デクの樹・ドドンゴの洞窟・炎の神殿のブルーワープでは上記の「待機ムービー番号」が併せてセットされる。このムービー番号と上記の「エントランスベース番号を書き換えるテクニック」を組み合わせると本来選ばれるはずのないエントランスデータを取得することができ、結果としてワープ後に全く違うシーンへ飛んだり、関連性のないムービーを再生することができる。

クラッシュとムービーポインタ

ワープ後クラッシュする・ソフトロックする・おかしな状態になる、このような現象が発生する原因はムービーポインタにある。

シーン用のデータファイルには、同じシーンにいくつかのバリエーションを持たせるための追加コマンドが用意されている(シーンセットアップと呼ぶ)。シーンセットアップは昼・夜・子供・大人、それぞれの状態に応じて異なる状態のシーンを生成するためのもので、また一部のムービーの再生にも使われている(設定されているムービー番号に依存)。

この追加コマンドを持つシーンにロングワープする時は、必ずワープ後にムービーが発生するか、クラッシュするかのどちらかになる。

しかしこの追加コマンドを持たないシーンにロングワープする時は「ムービーポインタ」と呼ばれるデータがロングワープの結果を決めることになる。ムービーポインタが使われる理由は、シーンデータ単体にはムービーを再生する情報が含まれていないからである。

よって一部のロングワープ(ガノンドアなど)は、ムービーポインタに特に注意を払う必要がある。似たようなロングワープでもセットすべきムービーポインタが変わることがあるので、必ず正しいムービーポインタをセットするように注意し、そして場合によってはポインタ先のデータの中身も確認すること。正しいムービーポインタが設定されていなければロングワープは失敗する。

ワープ可能先一覧(シーン番号順)のページでは、すべてのロングワープのワープ先がムービーポインタの影響を受けるものと受けないものに分けてまとめられている。

エントランスベース番号を書き換える

ブルーワープが待機ムービー番号をセットした後にエントランスベース番号を書き換える方法は、現在 4 種類確認されている。

ボス部屋のドアを使う方法

ボス部屋にある出口はすべてメインダンジョンに戻る機能を備えており、実際に使うこともできる。ボス部屋のドアでロングワープをするとそれぞれのダンジョンに対応した特定のポイントにワープする。

ダンジョンワープ先
デクの樹城崩壊イベント・塔内部
ドドンゴの洞窟ものしり兄弟の家(コキリの森)
炎の神殿城崩壊イベント・塔内部

デスワープ法

ボス部屋でゲームオーバーになるとエントランスが再びダンジョン入り口に設定される。偶然にもこの方法を使うロングワープ 3 種はすべてダンジョンやミニダンジョンの入り口へのワープになる。

ダンジョンワープ先
デクの樹ドドンゴの洞窟入り口
ドドンゴの洞窟ゲルドの修練場入り口
炎の神殿森の神殿入り口

大人のトレードアイテム用タイマーを使う方法

大人のトレードアイテム用タイマーはロングワープに関して都合が良い仕組みをもっている。大人のトレードアイテムスロットに制限時間内に届けるタイプのアイテムが入っている状態で時間切れになると、そのトレードアイテムを入手した場所まで戻される。しかし大人のトレードアイテムスロットにトレードアイテムとして認識されないアイテムが入っていると、最後に使用したエントランスにワープするようになる。

ダンジョンワープ先(あやしいキノコ)
デクの樹
ドドンゴの洞窟
迷いの森(必ずクラッシュになる)
炎の神殿迷いの森(必ずクラッシュになる)
ダンジョンワープ先(目玉ガエル・目薬)
デクの樹
ドドンゴの洞窟
ロンロン牧場(エポナの歌ムービー)
炎の神殿ロンロン牧場(エンディングムービー)
ダンジョンワープ先(非トレードアイテム)
デクの樹ボンゴボンゴのボス部屋
ドドンゴの洞窟ゴーマのボス部屋
炎の神殿ハイリア湖(必ずクラッシュになる)

フロルの風を使う方法

フロルの風を B にセットするテクニック、あるいは類似の方法を使ってどこでもフロルを使える状態にすれば、ゲーム内にあるほとんどのエントランスをロングワープの書き換え先として使用することができるようになる。よって、フロルの風を使用すれば他の方法よりも多彩なロングワープが可能である。フロルの風でロングワープを行うにはまずどこかにフロルの風をセットし、そしてブルーワープの端に接触する瞬間にフロルの風を使用し、メニュー画面を表示する。フロルでワープするタイミングは使うブルーワープが子供ダンジョンのものか、大人ダンジョンのものかで変わる。子供ダンジョンのブルーワープを使う場合はリンクが宙に浮き始めたらワープをするだけでよい。しかし大人ダンジョンのブルーワープを使う場合はフレーム単位で正確にタイミングを合わせる必要がある。

フロルの風ロングワープの 1 番のデメリットは、ワープ後の座標がフロルの風設置時の座標を使って設定されることで、ワープ表からワープ先ポイントが読み込まれるわけではないということである。したがってフロルで保存した座標によっては存在しない部屋を読み込んでしまい、異空間にワープしたり(無限落下になるか、ロードされていない部屋にはまって出られなくなる)、クラッシュしたりすることがある。

ブルーワープが設定したムービー番号を書き換えることはできない(別のダンジョンのブルーワープを使えばムービー番号は変わるが)。よってデクの樹のブルーワープを使ってもドドンゴの洞窟のブルーワープを使っても、ロングワープ先はどちらも必ず同じになる。ただし設定するムービーポインタデータは変わることがある。

ロングワープ発動後について

クラッシュすることなくロングワープの発動に成功すると、ゲームは少し特殊な状態に陥る。

ロングワープを発動させると、ブルーワープがセットしたエントランスベース番号が書き換えられるが、ここで書き換えに使用したエントランス番号は「最後に使用したエントランス」として保存され、異空間に落ちたりマップの範囲外に出るとこの地点にワープするようになる。

つまりロングワープをし、(ムービーが発生する場合)ムービーを見た後は、異空間に落ちたり、ゲームオーバーになったり、フォールマスターに捕まったりするとこのエントランスに戻されてしまうということである。ただしエリア移動を行えばエントランスは更新される。

さらに、ロングワープ後にダンジョン内にある扉などを開いてから異空間落下などでエントランスに戻された場合、戻される場所はロングワープで使用したエントランスではなくなる。シーンはエントランスと対応するものが読み込まれるが、復帰地点はドアを開いた時の座標をもとに設定されるようになる。よって、結果的にボイドワープのようなワープが発生することになる。

ただしロングワープ後にダンジョン内でセーブをすれば、ワープ後のダンジョン入り口に復帰できるようになるので安心してほしい。

最後に、ロングワープの変わった副作用について説明する。ゲーム中の一時的な状態を保存するフラグ情報(ダンジョンに出入りするとリセットされるもの。たとえば青スイッチ・時の歌ブロック・ツボの中身など)はロングワープ後も残るため、これによっていくつか副作用的な現象が発生する。たとえば、デクの樹のハシゴを落とした状態にして(ある理由によりこれで一時フラグ情報が変更される)、ロングワープでガノン城崩壊イベントに飛ぶと、塔を降りる時にいくつかのゲートが最初から開いた状態になる。

Last updated 01/22/2017 – izu